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能と月と蛍
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早くも水無月。季節の移ろいに区切りをつけるべく、ある行事に出かけることを計画していました。薪能です。能は一度も観たことがありませんでしたが、ひと昔もまえに深大寺薪能のポスターを目にし、観るなら薪能と決めていました。ようやく実現して感激です。

昨日のまだまだ明るい4時半ごろ、会場となった平安神宮には長蛇の列ができていました。観客層はほんとうにさまざま。ガイジンさんの姿もあります。わたしは、舞台からかなり離れてはいるものの、ほぼ正面に、空いている椅子をひとつ見つけることができました。
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舞台の奥は大極殿。完璧なバックドロップです。ところが、心配していた雨がぽつぽつと降り始め、開演時間が近づくにつれ、傘の花が咲いてゆきました。止むのか? 止まずに翌日に延期か? 老若男女、誰もがおとなしく椅子に座ってアナウンスを待ちました。

行事の明暗を決めるお天気(息子も娘もフェスが夏の恒例行事なので、好天気を祈りましょう)。そういえば英国でも、初夏は野外の観劇がオツとされます。薪能と同じですね。わたしが野外シェイクスピア劇を初体験したときは、案の定一日小雨が降っていましたっけ…。
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祈りが届いたのか、開演時刻の間際に雨が止みました。「ああよかった、ただの通り雨だったのね」とあちこちでほっとした声が…。無事開演し、金剛座による『安宅』の始まり始まり。義経を演じるのは、愛らしい丸顔の子方。笛の調べと鼓の音、装束にもうっとりです。

そんなことに気が散りすぎてか、言葉は「…候」ぐらいしか聞きとれません。でも、亡き父がよく日曜になると、わたしには読めない字でつづった本を見ながら唸っていたのが「謡」だった、と今ごろわかり、懐かしくなりました(それにしても父のは下手くそすぎました)。
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いつの間にか小鳥のさえずりも止み、空が群青色になり始めると、火入れ式が行われました。そのあとの観世座による『二人静』は、能のイメージそのまま。迫る闇が神秘的な効果を舞台にもたらし、面をつけた静御前と霊の舞う幻想の世界に見入りました。
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あたりがすっかり漆黒の闇に包まれてしまうと、肌寒さがまし、薄着で震えていた人たちは、終りと同時に席を立ちました。たしかに、幻想的な夕べのクライマックスはそこで終わったような感も。それから短い狂言があり、最後の演目は『碇潜』。いや、圧巻でした。

面をつけた平家の亡霊は歌舞伎の鬼とそっくりで、見得こそ切らないものの、所作も似ています。ルーツは同じ、と素人らしく納得。ごひいきが出ても、歌舞伎のように「…屋!」と声も掛けず、カーテンコールもなく、静かに終わってしまうのが申しわけなくなります。
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とはいえ、そうやって能が静かに終わるさまにも感動し、ゆっくり立ちあがってふと振り返ると、応天門のうえに白い月。誰もが門のうえの月を見上げて、ふたたび感動していました。幻想的な宵の余韻を味わいたい人びとは、薪のそばからなかなか離れようとしません…。
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大きな人波がひけたころ、平安神宮をあとにし、白川沿いの小路を歩いて帰りました。すると、小さな緑の火が、川のうえでいくつも光っています。蛍? そう蛍です。子どものとき以来、はっきり見た記憶がありません。しかもこれほどの数は生まれて初めて。

数年前、美術館で展覧会を観た帰りもやっぱり同じ道を歩いていて、川のほとりに集まっている人たちが「蛍がいるんですよ」と教えてくださったときは、捜してみたものの、まったく見えなかったのに…。流れに沿ってふわりふわりと浮かぶ緑の光は、なんと数十個。

幻想の宵は、こんなおまけつきでした。ご近所の方も「こんなぎょうさん見られるのは珍しいわ~」と。その信じがたい光景に誰も彼もが携帯カメラを向けていました。が、蛍の写真を撮るなど、所詮無理。ダメモトで、あくまで記念に撮った蛍です。見えますか?
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あいにく舞台撮影は許可されないため、能の写真がありません。


london docomo で、英国の新聞から話題を拾ったコラムを連載中。
本日のトピックはロンドンの地下鉄。この夏、ロンドンを訪れる方はご覚悟を。地下鉄の大混乱が世界の人の笑いものに? おヒマつぶしにどうぞ。 ↓click!

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by serendipity_j | 2012-06-02 17:44 | 京都 | Comments(0)
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