東日本大震災から5年。とはいえ、ニュース番組で「節目でもなければ折り返し地点でも何でもない」と復興に苦闘する被災地の方の淋しい眼差しが、印象的でした。たしかにそうですよね。5年がすぎてもなお、ニュースで流れたあの恐ろしい光景は、思い出すたびに今でもわたしたちみんなを悲しくさせます。
そして何より、被災地の復興に暗い影を落としているのが、先の見えない
福島第一原発事故の処理。メルトダウン5年後の今も、放射能の汚染水を出し続け、廃炉への道も手探り状態でしかないのですから…。それでいて首相は原発稼働方針を転換することなく、「
経済性と気候変動問題に配慮するため」と説明。
高浜原発の運転差し止め決定を受け、関電は「5月からの値下げは無理」と発表しました。でも、核廃棄物の処理問題と将来の廃炉費用も完全に無視したままの「安い電気」のアピールは、詐欺には当たらないのでしょうか? そもそも、ふつうの頭でふつうに考えたら、地震国の日本に原発は不向きだとわかりますが。
かならずまた起こるといわれている大地震。国もわたしたちも、5年前の
大きな犠牲によって学んだことが多々あり、防災意識に関しては改善されました。というわけで、福島の悲劇を繰り返すことのないよう、「安心してください、脱原発に方針転換します」と政府が発表する「3.11」がくることを、願うばかりです。