落椿。これほど潔く果てる花も、ほかにはありません。それが不吉なこととして、嫌われる向きもありますが、きりりとしていて、綺麗です。
それもとりわけ、白い椿。簡素な形と雪の白さがとても日本的で、ほれぼれします。
椿は、フランスでは「日本の薔薇」という別名があるとか。
というのも、ヨーロッパで愛されている椿のほとんどが、薔薇に似た八重咲き。千重咲きの
乙女椿も美しいけれど、花椿は、これでなくては。
ヴェルディのla traviata は、プッチーニのtosca とならんで、大好きなオペラのひとつ(オペラ・ミーハー)。有名なアリアでは、どうしても涙がこぼれます。原作は小デュマのla dame aux camélias (椿姫)。たしか高校生のときに読んだはずが、よく覚えていません(笑)。赤と白の椿の花を使い分け、「椿姫」と名づけられたそのいわれのくだりすら、覚えていませんでした(椿の色がok かダメかの合図になってたなんて!)。
それにしても椿は、いつごろ咲くのだったかしら、と毎年思います。お隣の公園の白い椿も先週あたりから、ようやく目立つようになりました。冬が戻ってきているものの、お彼岸をすぎて、スミレや柊南天も一気に咲き始めました。公園のクリスマスローズは、すでに満開。寒緋桜や、ソメイヨシノよりも早く咲く桜の花も、もう咲いています。公園を出て、帰宅する途中では、生垣から沈丁花が香ってきます。春ですねえ。よい週を!