serendipity blog

きょうは季節が冬に逆戻りして、日中の気温も6℃ほどにしかあがりません。狐の嫁入り状態から傘が必要な雨、そして強い風が吹いたと思ったらみぞれが降って、またいまは青空が広がっています。お洗濯ものをバルコニーから入れたり出したりを繰り返していたけれど、この寒さではどっちみち乾きそうもなく、あきらめました。

それでも、陽の光は紛れもなく春の光です。公園では染井吉野や山桜に先駆けて可愛らしいミモザが満開になっていて、春爛漫といった光景を演出してくれていますし、せせらぎのそばの枝垂れ柳には若葉がそろいはじめて、簾のように揺れています。今年もまたあの暑い季節に向かっていくわけね、と早々と覚悟しました（笑）。

そのころには、新型コロナウイルスはどんな状態になっているのでしょうね。湿度の高い日本では、ふつうのインフルエンザなら夏までに終息するようですが、今回はあてはまらないそう。政府はオリンピック開催を予定どおりに進めているようですけど、選手も観客も海外から、安心してやってくると踏んでのことでしょうか？

夏までどころか、今後１年は世界的な感染状態がつづくと予想され、一刻も早く現実路線に方針を切り替えていち早く計画を練り直したほうが、成功を確実にできるんじゃないかと思うのですが、感染者数の数字を抑制するために検査しないといわれているし、まあ、オリンピックにかぎらず、政府はすべてにおいて謎の対応です。

ワクチンを開発しているドイツの製薬メーカーに「トランプ大統領が独占権を大金で買うオファーしドイツが激怒」という報道を今朝読みましたが、自分さえよければいいという嫌な奴の見本のようなお人です、さもありなん。一方、モンドセレクションよろしくＷＨＯに大金を寄付して評判を買ったアベソーリも、似たようなもん？

そして、アベソーリの原稿読み記者会見でしたが、口から出まかせの多いトランプの記者会見の内容は、あとで訂正されることがしばしばのよう。その米国では入国制限がはじまり、ロスアンジェルスとニューヨークがレストラン（出前＆お持ち帰りはＯＫ）や劇場（ブロードウェイも！）も２週間クローズ。ほんとに非常事態ですね。

感染の中心が移ったヨーロッパでは多くの国が「ロックダウン」措置をとっています。カナダにつづき夫人が感染したスペインの首相も、「リモートワーク」を実践中。市民はみな、外出をしないことや５０人以上が集まらないこと、人との接触には１メートル以上間隔をとることなどの、「ソーシャルディスタンシング」が求められています。

以上の３つが、哀しいかな、この春のキーワード。でも、戸外で、ややひっそり、春を愉しみましょう！

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ラーメン好きではないわたしは、有名無名問わずラーメン店に行ったことは長い人生で数えるほどしかないのですが、ああ食べたい、と思うラーメンがあります。手打ち麺に醤油味のスープで、焼き豚、鳴門巻き、シナチク、海苔とたっぷりのおネギがのっている、子どものころに食べたラーメンです。あれならいまでも食べたい…。

子ども時代、自宅に暗室ができるまでは母が父の店（貿易商社のサラリーマンを辞めてカメラ写真店を開業）を手伝っていて、なにかの用事で夕食までに帰宅できなくなると、出前をとりなさい、と母から電話――兄とわたしは嬉々として「喜楽」に電話したものでした。いわゆる町の中華料理屋さんです。でも、美味しかった。

ラーメンのほかには、八宝菜とチャーハン。餃子もよく頼んだ気がします。どれもとても好い味つけでした。チャーハンにはスープがついていました。喜楽のご主人（配達もするオーナーシェフ…笑）が、アルミ製の水筒のような入れ物から、湯気の立っている熱々のスープを器に注ぐようすを、いつもそばでじっと見ていました。

あのラーメンをつくることはできないけれど、あのチャーハンなら真似できそうなので、ときどき、昔を思い出しながらつくるのですが、今回は搾菜をたくさん入れました。中華街で食べる赤いチャーシューが入っているのとはちょっとちがう、そして母がつくっていたのともちがう、懐かしい味の、町の中華料理屋風チャーハンです。

コツは、卵が半熟状態のうちにご飯を放りこむこと。で、お味のほう？　あの喜楽さんのチャーハンとは似ても似つかないような気がします。でも、丸いお山のように盛りつけたら雰囲気は出せるので、まあヨシとしましょう。ニンニクと搾菜が利いてます。これはこれで、結構好きです。キャベツとカブでスープもつくりました。

先日、Ｓ夫人にたくさんいただいた水菜の残りを、スープの薬味代わりに少しきざんで入れようかと思っていたところ、なんと花が咲いていました。菜の花とおなじような黄色の花も可愛いし、葉や茎の曲線はむしろ菜の花よりもずっと優雅…。スープに入れるのはやめて、まあ素敵、と眺めながらチャーハンをいただきました。

本日の昼食：

鸡蛋榨菜炒飯（ji dan zha cai chao fan/egg and zha cai fried rice）

ザーサイ入り卵チャーハン

スポーツ界やハリウッドのセレブのなか、そして政界（カナダのトルドー首相夫人も）にも新型コロナウイルスの陽性者が出て、感染はアジア、中東、ヨーロッパから米大陸へと広がっています。ついにWHOによるパンデミック宣言がありました。海外のメディアがずばり指摘しているとおり、日本国内の感染者数は、とにかく検査の実施数が少なすぎるので全然あてになりません。急激に増加している米国でも、低所得者層がもっとも打撃を受けやすいといわれていて、保険に加入していない人でももれなく検査を受けられるようするべきと、野党議員が問題点を指摘していました。

その米国では、感染者との濃厚接触の疑いのある大領領が、検査を拒否してるとか…。いっぽう、観衆を入れてオンエアされるテレビの人気トーク番組が公開中止になったり、人気野外音楽フェスのコーチェラも延期。日本でも、娯楽についてはとうぶんの自粛が求められていますので、旅行に行楽、音楽にスポーツと、その分野は大きな痛手ですね。そうそう、きのうまでラジオで宣伝していたので、半信半疑だったボブ・ディランの来日公演も、やっぱり中止が発表されました。大きなイヴェントは軒並み中止や延期です。押し寄せるはずの不況も嫌だけど、いまの辛さを察します。

お天気と事情が許すかぎり、広い戸外で、穏やかな早春の週末を！

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あれから９年。もう９年？　まだ９年？　時の流れは人によって速さがちがうものの、過ぎ去った日々の数はおなじ。最近は大きな変化もないので、なにをして生きてきたんだっけ？と思うこともしばしばですが、あの日のことは忘れていません。海から押し寄せる真っ暗な波に呑まれる家や車――母と一緒に観たあのテレビの映像はほんとうに大きな衝撃でしたし、とてつもなく哀しい日でしたから…。

忘れない、ということとともに、原発廃止を望む気持ちはいっそう強くなっています。東北では大津波による被害を受けたばかりか、それ以上に福島原発のメルトダウンがどれほど大きく長く人々を苦しめ、犠牲を強いて、地球を傷めつづけているかを考えれば、この国の進むべき方向は火を見るよりも明らか。脱原発が、未曽有の事故を起こした日本よりも外国で進んでいるというのは、ほんとうに可笑しな話…。

あの年、東日本大震災が起こったあとは、おそろしく寒い日が続いていました。被災地のニュースが映した避難されている方々の、寒さに震える姿は忘れられません。きょう、ヘレボルスが満開になっている暖かくて穏やかな公園を歩きながら、直後の９年まえにおなじ場所を歩いたときの記憶が、よみがえりました。そう、骨の芯まで凍るような厳しい寒さでも、公園のヘレボルスは咲いていましたっけ…。

このヘレボルス・オリエンタリスは、園芸品種の分類では「春の約束」と呼ばれているらしく、かならず春は訪れますよ、と約束してくれる花なのです。今年は新型コロナウイルスのために、世の中はかなり暗く沈んでいますが、戸外に出て春の息吹を感じると、見えない敵との闘いも、つい忘れてしまいます。公園では、学校へ行くことのできない子どもたちの元気な声も、聞こえていました。

来年もまた公園を歩きながら、きょうの日のことを思いだしているのでしょうか。

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フランスではクリスマスにつきものだというマンディアンを、チョコレートの日（ヴァレンタイン・デー）につくるつもりが間に合わず、この春先になってようやくつくりました。とはいえ、カカオ含有量が多いチョコレートにナッツとドライフルーツさえあれば、そんな一大決心などしなくても簡単につくれるお菓子です。溶かしたチョコレートを丸く流して、気ままにトッピングするだけ。

ハワイ土産のマカデミアナッツがありましたので、今回はそれが主役です。あとは、自家製の砂糖煮金柑と干し柿（秋につくって冷凍保存）を利用し、胡桃の欠片もちょっとのせて固まれば、もうできあがり。寒い時期は早く固まるので、なにをどれくらいトッピングしようか～と迷っているひまはありません。

ひと口で食べられる大きさにしたため、マカデミアナッツはひと粒しかのせられませんでしたが、塩味がついているので、バランス的にはかえってよかったようです。口のなかに放りこむと、ナッツの塩味と干し柿の甘さ、金柑の甘酸っぱさが混ざり合って、思わず自画自賛してしまうほど美味しくて絶妙な味！

口あたりが好いので、口のなかからなくなるとすぐに手が伸びてしまう…。チョコレートはダイエットの大敵です、ぐっとこらえて缶にしまって、１日３個まで、と決めました（苦笑）。ところで、きょうは国際女性デーですね。日本の政界や経済界では戦前の社会意識から抜けだしてないオジンが多くて、あきれます。

アビ首相が（税金で）外遊するときにかならず手をつなぎ、とってつけたような睦まじさでタラップからあいさつする姿には、どうも違和感をもちますけど、女性活躍なんて掛け声だけの首相をトップに据えたまま長い年月がすぎていっている日本の男女格差指数は過去最低で、153か国中121位ですもん、まさに後進国。

21世紀だというのに、アフリカ、中東、インドやパキスタン、メキシコなどの中南米で、女性の権利どころか命すらモノのように扱われるニュースに接するたび、怒りがこみあげます。わたしはずっと男女の差別がない世界で仕事をしていたので幸運だったと思いますが、日本社会全体では、まだまだ改革が進んでないみたい。

イタリアでは女性デーに、女性にミモザを贈るのが慣わしだそう。ミモザ、きのう公園のクイーンズランド・ガーデンを歩いてみたら、すでに満開でした。ミモザの代わりに、おなじ黄色のオギザリス（バミューダバターカップ）を摘んで帰りました。南アフリカの原産の園芸品種ですが、あちこちで雑草化。春っぽい色です。

本日のお菓子：

mendiants au chocolat noir et aux fruits secs

フリュイセックとショコラノワールのマンディアン

新型コロナウイルスの感染はまだ拡大をつづけ、さまざまな方面や分野で影響が出ています。一人ひとりがあらゆることを想定して注意しなければならないわけですが、心のなかまでじっとしていてはいけません、男女同権社会を目指して、happy women's day!

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きのう、今年はじめて、蝶を見ました。木蓮のつぼみがふくらんで沈丁花が咲き、なんだかすっかり春…。まだ寒い朝を迎えることもあるけれど、自然界では目覚めてしまった生きものたちが姿を見せはじめています。お野菜の生育も待ったなしのようで、農家の方には申しわけないものの、葉物野菜が例年よりもずっと安価で助かります。安い！と思うとついつい買いすぎてしまうのが玉にキズですが（苦笑）。
ほんとうの旬を迎えるまえの、まだ寒い時期にかならず出回る空豆が、お店の野菜棚に今年も登場…。旬まで待てずにやっぱり手が出てしまい、さっそく買って帰りました。階下のＳ夫人からは、「あったかいからすぐ花が咲いて…」と黄色い花をつけた水菜と青梗菜をいただき、それもまた春らしい味になるので、買ったばかりの空豆とブロッコリーも一緒に、ペンネ・アッラ・プリマヴェーラをつくることに…。


味つけは、ニンニクと胡桃とお醤油です。パスタをつくるさいの最近の「マイブーム」は、このお醤油の味つけと胡桃を加えることで、半ば病みつきになってます。一生、純和食が食べられなくても平気ですが、たぶん、お醤油がないと生きてゆけないかも（笑）。外国のどの都市に住んでいたときも、まずそろえる調味料が、日本のお醤油（中国のではなくキッコーマンの）でした。それほど、お醤油味が好き。


お昼はカップスープとサンドウィッチ、と決まっているところを、新鮮さを逃さないで採れたてをいただくために、珍しくお昼につくって食べたパスタです。イタリア人にならって、食後の口がさっぱりするエスプレッソもいれました。となるとちょっと甘いものが欲しくなり、ビスコッティがあればいいのに、と思いながら冷凍しておいたロンドン土産のラズベリー入りショートブレッド（バタークッキー）を１枚…。


きょうは桃の節句でしたね。お雛さまを飾りそびれてしまったし甘酒もないけれど、ガールズデーのお祝いに、自家製の梅酒を母の写真のまえに…。そういえば空豆を買った帰りの道で、いわゆるマンジュリカと呼ばれるスミレがもう咲いていました。いつもより半月以上早いかも。でも、ニオイスミレもまだたくさん咲いているので、摘んで飾っています。ニオイスミレは、どこか亡き母を想い出させる匂いです。

本日のパスタ：pennette primavera con le noci胡桃入り春野菜のペンネ

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