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冬の色彩とシミュラクル

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モノトナスな冬の色彩は、ともすれば公園を殺風景に見せがちですが、種類の異なる草木の造形の豊かさのほうに眼を向けさせてくれます。というわけで、あれほど青々としていた草むらが褪色し、焦げ茶や薄い茶色に染まった冬の散歩道で、つい足をとめて見とれることもしばしば。冬の陽が射す静かな昼下がりには、運がよければ、可愛い野鳥にも出逢えます。

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けれど、如月も半分すぎれば、公園に冬景色をもたらしている陽の光のなかに、わずかな変化が見てとれます。言葉では表せないものの、それまでとはどこかちがう春の兆しのようなものが、たしかに…。それを感じとれるあいだは、野鳥たち同様に(人間が痛めつけている)この地球に棲む生き物としての動物的な本能を、まだ失っていないといえるのかもしれません?

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川沿いの遊歩道を歩きながら、見事なほどきれいに枯れている草むらが目に入るたび、著名なオランダ人造園設計家のピート・アウドルフがデザインした、野趣あふれる庭を連想してしまいます。が、おそらく彼は、枯れた草むらの美しさに触発されて、欧州や北米に素晴らしい庭の数々を創り出したはずなので、わたしの頭のなかは、まさにシミュラクルの循環(笑)。

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p.s.

早く目が覚めたきのうの朝、起きたくないのでベッド脇のラジオをつけてニュースを聞いていたら、「安倍首相がノーベル平和賞にトランプ大統領を推薦」と報じ、あまりのショック(というか怒り)でいっぺんに頭が冴えてしまいました。(オツムの弱い)首相が(イカレ)大統領と気が合って仲良しなだけでも、日本は世界に恥をさらしてるのに、これ以上ないほどのおべっか使って、正気なの? とにかく、突拍子もない話なので、脈絡がわからなかったものの、起きてからパソコンで twitter を見たら、ここ ここの海外のメディアでも報道。


ハフポストのビデオを観ると、トランプさんはキム・ジョンウンとの再会を「宣伝」するローズガーデンでの記者会見で、「シンゾー・アビ」から、自分をノーベル平和賞に「日本国を代表して」推薦する旨の「ものすご~く素晴らしい手紙」のコピーをもらった、と例の調子で自慢(「森羅万象を担当」のアビさん、だからといってわたしに訊きもしないで勝手に日本を代表しないで!)それから、「何でもらったのか自分でわからなかったのにオバマは平和賞を受賞した」、とオバマ前大統領を妬み、例のごとく恨み節と根拠のない不平をぶつぶつ…。


きょう、昨秋に米政府から依頼を受けての推薦だったことが報じられましたが、トランプ政権のいうままにするとこなど、それはですね~、まさにですね~、閣議決定でいわゆる「私人」となった奥さんと税金使いまくって世界を飛び回り、重みのある意見をいうわけでもなくお金をばらまいてるだけの「アビ外交」を、まさに物語っていると思うところであります! 恥ずかしい…。最近よく国会審議のオンライン中継を観ます。アビさんの答弁は、用意された紙を読むだけじゃないときはシドロモドロかキレるかで、知性と人格がホントよくわかるのよ。


政治家としてのトランプさんの、ほかに類を見ない幼稚な愚かさは、良識のある人ならだれでもわかることですけど、その強引なやり方を真似ようとしているふしのあるアビさんよりもさらに陰湿で、権力を乱用しているのがスーガ官房長官なのです。記者会見では、答えたくない質問にはまったくまともに答えず、気に食わない質問をする記者をいじめ抜こうという魂胆丸出し。あげく、そのハラスメント続行を正当化するために「閣議決定」に持ち込んだのです。発表したいことだけをいう記者会見ならやっても意味ないし、スーガさん、やめちゃえば?


ったく~、総理も内閣も官僚も、その質が落ちるだけ落ちてしまっているのに、それを追及するどころか報じようとすらしない大半の大手メディアが、いちばんヒドイ。それを受け入れてしまっているのがいったいだれなのかは、いわずもがなですが…。


なにはともあれ、よい週を!



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by serendipity_j | 2019-02-17 22:28 | ワイルドライフ | Comments(0)
伏見稲荷再訪できわめた頂上(のはずが…)

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立春の日、伏見稲荷大社へいってきました。ロンドンから帰国したてのころ、夏に訪れて以来です。娘も、ふらりとひとりで行ったのはずいぶんまえなので、久しぶりに行こう、ということになりました。前回は夜の本宮祭が目的で、千本鳥居を抜けたころには暗くなりはじめたため引き返し、山頂まで登ったはずの娘はよく覚えてないとのこと。じゃ、今回はちゃんと山頂まで登りましょう!

伏見稲荷駅を出てから参道まで、観光客の人波がゾロゾロとつづいています。噂には聞いていましたが、前回(十年以上まえ)とは景色がちがって見えるほど…。朱色の千本鳥居も黒い頭で埋まり、嵐山の「竹林の小径」状態。残念ながら、いい写真は撮れそうもありません。とりあえず、上へ上へと石段をのぼりつづけ、四ツ辻に到着するころには、観光客の姿がだいぶ少なくなっていました。

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その四ツ辻から左に折れるルートを進み、いざ山頂へ…。京都の街が見渡せる場所には人影もほとんどなく、斜面を埋める無数のお塚には、小さな鳥居と無言のお狐さまが…。いやはや、スピリチュアルというのか、なんともスプーキーな雰囲気です。お塚のあいだの細い路を縫って、目に入った鳥居をくぐり、今度は下へ下へと進むと、白瀧社に出ました。「東福寺→」という字が見え、下山。

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途中から、図らずも「京都トレイル」を歩くことになり、地元の方に助けられながら東福寺に出るころには、とおり雨に降られて雨宿り…。そこからまた、伏見稲荷駅まで歩くのですが、参道に出るてまえで、お目当ての大福屋さんで豆大福と苺大福を買いました。これで、娘のもうひとつの目的も達成です(笑)。意外と時間がかからず(歩くのが速いので)、余力を残して、帰路につきました。

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で、帰宅してから、地図どおりに下山できなかったことがどうも気になり、いろいろ調べてみましたら、稲荷山頂上は、結局きわめてこなかったことが判明(涙)。四ツ辻で進路をあやまり、一ノ峰へは行きつかずに、御幸奉拝所へ出てしまったようなのです。簡単なルートだったはずなのに、まるで、狐につままれたようなお話ではありませんか! いや、お狐さまに導かれたのかな(苦笑)。



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by serendipity_j | 2019-02-10 17:22 | 京都 | Comments(2)
happy chinese new year(春節には餃子)

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中国では、餃子はお正月に食べるもの、とだいぶ昔に聞いて知っていたので、いつか旧正月には、餃子をつくってみようと思っていました。それも、まだつくったことのない、本場中国のレシピに近い「蒸し餃子」を…。今年は、先週、娘がやってきて、早めの旧正月を日本の「お節」と京雑煮で祝うことにし、その後は日替わりで「世界の料理」(イタリア、モロッコ、インド& etc.)を愉しんでいたため、春節の餃子の件はすっかり忘れてました。

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きょう、東京へ戻る娘を見送ったあとで、そうか、きょうが春節だったのか、と思い出した次第です。久しぶりに、自分だけのためでなく家族のために食事をつくりつづけていたので、あしたからはちょっと手を抜きたい気分…。春節の餃子は来年にします(笑)。というわけで、お見せしている写真は、昨年の秋に蒸し方を予行練習(?)したときのもの。ニンニクは入らず、ニラと生姜、豚肉のみで、自家製のタレもあっさりめの味つけです。

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来年の春節こそ、中国流餃子をつくりましょう! 幼かったころ、お隣の家のおばさんが、台湾に住んでいたときに覚えたという餃子の皮づくりを、粉だらけになりながらわが家の廊下でデモンストレーションしてくれたときの場面を、ぼんやりと、けれどとっても強い印象で、いまでも覚えています。皮までしっかり手づくりすれば、本格的な餃子が家でも食べられます(わかっちゃいるけど、ついつい市販品のお手軽さに、負けますわね…苦笑)。

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本日のひと皿 : steamed jiaozi

ニラと生姜、豚挽き肉の蒸し餃子



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by serendipity_j | 2019-02-05 23:21 | クッキング savoury | Comments(0)
クリスマスから咲きつづけるカクタス

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陽がさんさんと射しこむ窓際に置いたクリスマスカクタス…。母の居間では毎冬、クリスマスからお正月にかけて、巨大な植木鉢からこぼれんばかりにピンクの花を無数につけていました。母が亡くなったとき、そのカクタスの贈り主である母のハトコに、大きく育ったカクタスをもらってもらいました。わたしが引きとったのは、母が増やしたふたつの子どものカクタスでしたが、見るからに元気をなくし、花をつけませんでした。

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そこで昨年の春、手入れの仕方を調べて、弱った部分をバッサリ処分し、ふたつをひとつにまとめて形を整えたところ、秋にはたくさんのつぼみをつけ、無事、クリスマスまえには花を咲かせました。じつのところ、色といい姿形といい、あんまり好みじゃない…でもよく見てみると、なかなか優雅な花なのです。それに、寒い冬のあいだ、部屋のなかでじっとして過ごすことの多い単調な暮らしに、彩りを添えてくれる花は貴重ですし?

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ひさしぶりに焼いたキャロットケーキを食べながら、冬に春に夏に、水をやり、土を足し、愛しんでいた母を、想い出していました。物理的に逢うことが叶わない人で、もう一度逢いたいと思うのは母だけ。聞いておきたかったこともあるのに…。正直、好きな花ではなかったけれど(笑)、亡き母の置き土産なので愛さずにはおれないのが、このピンクのカクタスです。

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(↑母の家で咲いていたクリスマスカクタス)



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by serendipity_j | 2019-01-30 22:17 | 花 indoor | Comments(0)
冬の桂離宮 (Part 2)

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トピックは桂離宮に戻ります。午後時の入場で、暖かい時間帯のはずでした。が思惑ははずれ、冬の太陽をたびたび雲が隠し、雨が降ってきたかと思えば雪もちらつく寒い日でした。いちばんのお目当ての松琴亭をあとにすると、20人の見学者集団は案内人について苑路を進みます。つぎに訪れた賞花亭から池の向こうを眺めると、これから訪れる家屋が見えてきました。橋をわたると園林堂があります。仏さまは安置されていないとのことですが、ここは「お堂」で、唯一の瓦葺き。

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苔に縁どられた細い橋をわたり、紅梅の老木がつけたつぼみのわずかな膨らみに、心がほころぶような気がしました。そこから奥まったところの、敷地の南端にたたずむ笑意軒に着くと、脇の生け垣のあいだから外の道や住宅、畑がのぞき、やや現実に戻されます(笑)。こちらの襖の引き手は、弓矢の矢の形(レプリカだそう)。どの建具にも伝統的な技術をもちい、デザインはどこも控えめでありながら、ディテールが凝っています(オマケの写真は賞花亭の窓で、は外部に接した家屋の屋根)。


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そこから、三棟がつながった新御殿、中書院、古書院を遠巻きに見て、月波楼へ。こちらの茶屋は夏向きに造られたそうで、開け放たれた障子の白と外の緑のコントラストが目を惹きます。紅葉と波柄の襖も竹を張った天井裏をあらわにし、地味でいて気品を感じさせる独特の趣が。入り口には土間のような部分があり、褪色して筆のあともぼんやりとしか残っていない、巨大な絵馬のような絵が掛けられていました。月波楼を出ると、船着き場が見えます。客人は、どの茶屋へもお船で訪れたのだそう。

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気づくと、最初に写真を撮った松の木が目に入りました。複雑に入り組んだ桂離宮のお庭を、これで一周したわけです。マニュアルどおりで面白味には欠ける説明(失礼!)案内に耳を傾け、遅れをとらないように写真を撮りながら歩いて回り、出発してからほぼ時間。せっかくですから、桂川に面した場所の美しい竹垣、穂垣、入り口近くの樹齢何年?の老木の写真も…。


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日本は古より、手の届くところに世界を築き、というのか、スケールの大きさは意識のなかだけに留めて、箱庭のような、自然を「見立てる」美学を発展させてきたんですね。ロココの極致、壮大で絢爛豪華なヴェルサイユ宮殿を思い浮かべながら、文化の違いを改めて認識しました。究極のプレジャーランドで、お茶を点て歌を詠んだ昔の貴族たち…。や、洒落てましたねえ。



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by serendipity_j | 2019-01-23 21:06 | 京都 | Comments(0)
睦月のカスレ(低脂肪版)

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間もなく大寒。寒いときは体が温まるものを食べたいので、煮込み料理とオーヴン料理がぐっとふえます。白インゲン豆と肉を煮込んでからオーヴンで焼くフランス料理のカスレは、その両方の調理法を駆使した究極のシチューです。こんなに味わい深い料理の存在を知り、肉類も豆類も食べられなかった子ども時代を考えると、大人になるって素敵なことだと思わずにはおれません(笑)。

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ただ本格的につくろうと思うと、カモだ、ガチョウだ、トゥルーズソーセージだ、と、とんでもなく高級な田舎料理になってしまうため、手に入る食材で代用。そしてもうひとつ、致命的な問題が…お肉を美味しく食べられるようになっても、いまだに脂肉(と鶏の皮)は苦手なのです。ギトギトの脂で味をとじこめなければカスレじゃない、かもしれないものの、低脂肪版をつくりました。

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豚のヒレ肉を使ったので、脂はソーセージのみ。あとはオリーヴ油で補います。というわけで、どちらかとういと白インゲン豆とニンジン、タマネギ、セロリが主役。地球温暖化対策としても、肉食はやめるべきかもしれません。いまブームのヴィーガンは、理にかなっているわけです。で、ヴィーガン版のレシピもみてみました。が、う~ん、やっぱりカスレには動物性油脂の風味がほしい…。

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本日のひと皿 : cassoulet maigre maison aux haricots blancs, fulet deporc et saucisses

白インゲン豆と豚ヒレ肉、ソーセージの低脂肪カスレ



p.s.

バンクシーが東京に? 膨張扉に描かれたネズミ、たしかにバンクシー風ではあるけれど、可能性は限りなくゼロに近いんじゃないですか~。最近の作品だとしたらステンシルの精度がちがうし、そもそも、何かに対する皮肉や批判的なメッセージがこめられていないグラフィティを、バンクシーがこれまで残したこと、あった? 彼は、ただ単に楽しくてラクガキしてんじゃないんだから…。都知事の期待しすぎには苦笑いしました。だったらいいのにね~ぐらいに思ってるのがハナ、なのでは?


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by serendipity_j | 2019-01-18 23:09 | クッキング savoury | Comments(0)
冬の桂離宮 (Part 1)

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先週、桂離宮を訪れました。建築家のタウトとグロピウスのふたりの巨匠に称賛された桂離宮。見るなら秋か冬と決めていましたが、これまで抽選に外れっぱなしで、秋よりも倍率が低そうなお正月明けを狙うと、的中。桂には小学生のときに年住んでいたので、懐かしさを胸に桂川を眺めたものの、じつは駅の東側はほとんど歩いたことがなく、未知の世界です。突如、目のまえに現れたのは緑が生い茂ったお屋敷の塀…。桂離宮の苑路の飛石を踏みながら、世紀にわたって守られてきた日本独特の文化の神髄を見出し、しずやかな美しさに酔いしれてきました。

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皇室の方々のみがくぐり抜けることのできる表門から「御幸門」までの道は、遠近法の効果を利用して苑庭に向かって幅が狭まるように造られています。池の周りに配されたお茶室を巡る苑路はゆるやかに起伏し、途中、石橋あり板橋あり、休憩所あり…。シュロを寒さから保護するためのワラは、まるで工芸品のようです。ところどころで、可愛い朱色の実をつけているのはクチナシ。石橋をわたって最初に見るお茶室「松琴停」は、市松模様のふすまが有名。17世紀に、これほど大胆でモダンでさえある意匠を考えたなんて、昔の人は凄くてエライ!

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京の宮廷文化から生じた美意識「雅」は、十二単を連想させるように絢爛豪華、というイメージが強いけれど、宮家のこの別荘はシンプルで質素で、むしろ江戸文化のように「粋」で、侘び寂びの世界。でも、浮世から断絶し、お茶を点て池に映った月を見て歌い、ただただ風流を味わうための究極のプレジャーランドだという点では、やっぱり、「雅」でございますわね。

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桂離宮の修復作業を捉えたドキュメンタリーを、かなりまえにテレビで観て以来、ここのふすまのデザインがずっと頭のなかにありました。まさにその実物を目にしているわけで、ちょっと感激…。袋戸棚のやや地味絵は狩野派の絵師、探幽によるものだそう。庭園は、池を中心にさまざまな趣向が凝らされています。池を海に、「洲浜」にわたした橋を天橋立に、灯篭を灯台に見立てた演出も。


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風流(遊戯)のみを追求して暮らす世界は、もう、どこにも存在しません。戦後最悪の民主主義の後退に、国民の向かう先をおもんばかる天皇陛下のご苦悩は、察するに余りあります。一生遊んで暮らせるほどのお金があるビリオネアたちは、いかに自分のお金を減らさずにすむか、いかに合法的に税金を払わずにすむかを考えるのに忙しく、つねに悩みをかかえているはず。

新年早々、とんでもないニュースばかり飛びこんできて、嘘と欺瞞でかたまってゆく自分の国をなんとかしなくては、と思うけれど、これほどひどい状態になっていても、デタラメ政府を許してしまっているのは国民なのですから、その人たちの目は、いったいどうしたら覚めるのやら…。政治家の言動と行動をちゃんと見極め、有権者として、ともかく選挙へ行きましょう。



p.s.

きょう、全豪オープンが開幕しました。怪我が完治せず、涙の引退を表明した英国のマリー選手は、痛みに耐えながらフルセットの試合を戦い、力およばす、敗退――残念無念(こちらも辛い)。英国人らしい辛口のあのユーモアが、好きでした。9番シードで、身長が208cmもある米国のイズナー選手も敗退したんですけど、おなじ米国人で21歳の対戦相手オペルカ選手の身長は、なんと211cm!! わたしがあいだに立ったら、さながら、ふたりのガリバーにはさまれた小人、でしょうね。ビッグサーヴァー同士、エースの応酬戦だったよう。いっぽう、西岡選手は2回戦進出。あしたは、大坂選手と錦織選手、ダニエル選手、土井選手の試合です!




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by serendipity_j | 2019-01-14 23:25 | 京都 | Comments(0)
バースデイモーニング・ティー

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クリスマスの翌日が誕生日、という不幸なわたしは、小さいころからいつもクリスマスと一緒のお祝いですまされて大きくなったため、誕生日パーティというものに、少々コンプレックスを感じています。だからといって、大人になってからも自分で何か特別なことをしようと思ったり、実際したこともないんですけどね。


そこで、昨年の話になりますが、誕生日の朝、クリスマスのテーブルに飾った仙人草(寒空の下で咲いてて感激)とモーヴ色のミニ薔薇を見ていて、誕生日の朝(午前中)に「ティー」(お茶会)をするという発想に憧れたことをふと思い出し、スパークリングワインも残っていたので、そのまねごとをして愉しんでみました。


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とはいっても雰囲気だけで、内容なし招待客なしの、お得意の「おひとりさま(おうち)ティー」です(なんだか、孤独さがにじみ出ている暮らしのように聞えるかもしれませんけど、独り暮らしは大好き)。一応、お誕生日祝いのメールや電話は、家族や古い友人からかならず届きます。でも、昨年はサプライズがありました。

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朝、息子夫婦から届いたのは、レトロな箱入りミルフィーユと、オーストラリア製の保湿クリームと化粧水。昔はお気に入りの保湿クリームを免税店で買ったものでしたが、海外にはめったに行かなくなったいま、高級スキンケア製品を使わなくても大丈夫な肌に鍛えあげてきたつもりでした。が、つけたあとがやっぱり違う…。

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そりゃそうだ?値段が違うんだから(笑)。息子夫婦からのプレゼントは、最近はずっと現ナマでいただいていたけれど、ときにはサプライズもいいもんです。残ったスパークリングワインをザクロのピュレに注いで「グレナディン・ベリーニ」(勝手に命名)にし、乾杯。そしてパンとカフェオレ(夕食はまえの晩の残り物でしたが)。

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by serendipity_j | 2019-01-11 20:32 | miscellany | Comments(2)
happy new year!

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新年、明けましておめでとうございます。数字がどんどん増えてゆきますが、気持ちは新たに…。けれど、マイペースでまいります(苦笑)。


デスクトップから消えたデータは、クラウドストレージからとり戻し(?)、なんとか、自分のパソコンにリストアすることができました。便利なツールに、ゼンゼンついていけてないわたし…。でもね、見えないところでどんなことが起こっているかわからないインターネットのテクノロジーに、依存しすぎる生活をしたくないんです(個人データが承諾なく使用されていたり)。こうやって、ガラパゴス諸島のバアサンになってゆくのかも…? というわけで、なんとかふつうに大晦日をすごし、母亡きいまは年越しそばをひとりで食べて、ネットでニュースを追って(シドニーの大晦日の花火、今回もじゅうぶんに派手です)、民主主義の世界的な後退にあらためて暗澹たる気持ちになり、それでも新しい年を迎えられたことに希望を見出し、静かな年越しをしました。


みなさまにとって、2019年が素晴らしい年になりますように!

今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。



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by serendipity_j | 2019-01-01 00:28 | miscellany | Comments(0)
ツルウメモドキ (oriental bittersweet)

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今年もあと2日。冬らしい晴天となった大晦日の前日に、公園を抜けて少々いつもより足を延ばしての散歩に出ました。この道はいつか来た道…ああ、そうです、数年前にも、このお宅の入り口に飾られたツルウメモドキの写真を撮りましたっけ。無造作に輪をつくって土壁にかけただけの、わたし好みの野趣なリースです。

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新しい年がやってくるというときに、昨年はパソコンを買い替えたばかりで慣れるまで少々ストラグルし、じつはさっきから、1年の契約が切れたクラウドストレージ(不要なのに勝手についてきた)の更新するつもりがないので、「更新しろ」という警告を出ないようにしたつもりが、デスクトップのデータが消えてしまい…。

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なんて bittersweet な年末でしょう。今年もおつきあい、ありがとうございました。どうぞよい年をお迎えください!



お隣の公園の花鳥風月をつづったブログはこちら


あぶそる~とロンドンもよろしく


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by serendipity_j | 2018-12-30 23:13 | miscellany | Comments(2)
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